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小林よしのり
2018.9.21 08:05日々の出来事

思考の順序

東京医科大の不正入試が突きつけた問題は、男女平等で
合格させたら、外科医が不足する結果になるのか?である。

他の医科大の入試結果にも、女性の合格者が少ないという
結果が出ていれば、男女平等で採用すると、
外科医が不足すると大学側が
考えていることになる。

不正入試という表面に現れた手段は支持しないが、
わしは大学側の「憂慮」を支持する。
合格した女性が外科医を避けているという現実がある
からだ!
それは女性の自由な選択の結果であって、外科医になら
ない女性に非はない。

だが、男女平等の合格者を出しても、女性が外科医を
避ける現実が変わらないのならば、男女平等にした時点で
医者志望の男性も減っているのだから、やはり外科医は
不足
することになる。
まず、このくらいは理解できないだろうか?
たったこれだけのことも、分からないってアホとしか
言いようがない。

この問題を片づけないうちに、日本の医療制度を云々
したってしょうがない。
男女平等を徹底しても、外科医は不足しないという結論
を得られれば、次に医療制度の問題に関心を向けること
ができる。

来年からは、全国の医科大は不正入試をなくし、男女平等
で採用するだろう。
その結果として、数年後に外科医が不足する事態を憂慮
しているのだ。
合格した女性が、落ちた男性の穴を埋めてくれると、期待
していいんだな?

「いや、それは無理だ。欧州に見習ってシステムを変え
ねば」というから、それじゃ医者ファーストになる、
患者ファーストで、日本式のシステムを考えてくれと、
言わなければならない。
この思考の順序が分かるかな?

さあ、来年から医科大は男女平等を徹底させた入試に
なる。これは待ったなしだ。
数年後が楽しみですな。
自分の言論には責任を持ちましょう。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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